経営戦略シナリオ ~顧客視点で事業競争力を強化する(1)~
こんにちは。アクセラレーションパートナーズの松下弘司です。
今回から4回シリーズで
経営戦略シナリオ ~顧客視点で事業競争力を強化する~について詳しく解説します。
経営戦略(1)
経営者の仕事は未来の姿、戦略を考えること
戦略
長期的考えや方向性
顧客に見えない
業種・業態に関わらず普遍的
進むべき方向性、シナリオ
戦術
日々の業務
顧客に見える、触れる
業種・業態で違い(個別具体的)
手段、オペレーション
顧客はモノではなく「価値」を買う
経営戦略は「顧客にとっての価値」を中心に考える。
ビジネスとは、つまり価値交換です。交換とは、マーケティングの中核になるコンセプトです。企業は商品やサービスを提供して、その対価として消費者・顧客にお金を支払っていただく。差し出すものがあるから相手から何かをもらえる。これが交換です。
消費者・顧客にとって価値があれば、購入=交換が成立するが、逆に価値がなければ交換は成立せず、企業は利益を得ることができません。
マーケティングで最も大切なことは、顧客のニーズにあった製品やサービスを想像し、それらを必要としているターゲット層にリーチし、彼らにいかに購買してもらい、信頼を得てリピーター(継続購入者)になってもらい、さらにその良さを伝えてもらえるかが重要になります。
Positioning(ポジショニング)
戦うべき市場を決める
市場を決める6つの視点
業種・業態:似ている業種・業態に属する会社と競合する場合の戦場
場所・立地:業種・業態が違っても、場所・立地が近ければ競合することもある
流通:流通(場所)をめぐっての競争
価格帯:価格帯が近いと競合しやすい、逆に価格帯が遠い場合は競合しない
予算の内訳:どの部門から捻出されるのか
その他:検索エンジンの検索結果の近いページにある会社
業種・業態・業界を超えて同じ価値を提供するすべてが競合である
■ 競合とは、顧客が「ある価値が欲しい」「欲求を充足したい」というときに、自社の商品・サービスと一緒に思い浮かぶすべての選択肢である。
■本当に競争が起きている場所は、顧客のココロの中にあり、あなたが競合であると思っているかどうかは、本質的には関係がない。
■業種・業態・業界を超え、同じ価値を提供するすべての商品・サービスが競合となる。
「顧客にとっての価値」が戦場を決める
■戦場を決める軸は業種・業態ではなく「顧客のベネフィット」
■競合が誰かは顧客に訊こう
■自社は「何屋か」を顧客の視点で定義する
まとめ
1. 戦場は、顧客のベネフィットをめぐって戦う競合の集合体。
2. 競合は、顧客があなたの商品を買うときにココロに浮かんだ選択肢の束。同じ業種・業態とは限らない。
3. 競合を決めるのは顧客であり、戦場は究極的には顧客のココロの中(心象)にある。
4. 競合を知るには、顧客に訊いてみること。
5. 戦場を決めるのは経営者の重要な仕事。
6. 自分は何屋かと問うことは、自分がどの戦場で、どの価値をめぐって戦うかを決めること。