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経営戦略シナリオ ~顧客視点で事業競争力を強化する(3)~

こんにちは。アクセラレーションパートナーズの松下弘司です。
今回は、経営戦略シナリオ ~顧客視点で事業競争力を強化する(3)Blue Ocean(ブルーオーシャン)~について詳しく解説します。

経営戦略(3)
Blue Ocean(ブルーオーシャン)
~成功する企業が顧客に対する価値を創造する方法~

価値基準による戦略類型

価値基準では、以下の3つの基本戦略で類型しています。
1.    製品リーダーシップ
2.    卓越したオペレーション
3.    顧客との親密さ

トレーシーとウィアセーマは、企業が成功するには、次の4つのルールに従う必要があると述べています。
①3つの価値基準のどれかで1番になる。
②残りの2つの基準において、まずまずの水準を達成する。
③競合企業に負けないために、選択した基準においてポジションの向上を怠らない。
④競合企業の活動によって顧客の期待値は常に高まるので、残りの2つの基準においても、より妥当な水準を目指す。

差別化【ブルーオーシャン戦略】

強みのある優れた商品・サービスを売れ
競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルーオーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。そのためには、自分の業界における一般的な機能のうち、何かを「減らす」「取り除く」、その上で特定の機能を「増やす」、あるいは新たに「付け加える」ことにより、それまでなかった企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリューイノベーション」が必要だとしている。

*バリューイノベーションとは 
コストを下げながら、同時に買い手にとっての価値を高めることで、企業と買い手双方にとっての価値が飛躍的に高まった状態

製品リーダーシップ
絶えず最新の製品・サービスを提供してイノベーションを追求、製品やサービスにより高い価値を提供し続けることで、競合他社に真似しにくい状況を作り競争優位性を構築するアプローチ。最先端の技術を築く企業を好む顧客がターゲットとなる。
■主な特徴
・発明、製品開発、市場開拓に焦点を当てている
・非常に創造的で、短期間にアイデアを商品化できる
・常にサイクル・タイムの短縮を追求している
・実験家と枠にはまらない思想家を評価している

製品リーダーシップ
製品リーダーシップでは、既存製品の保護と新製品開発、自由な創造と採算の問題、
少数の大きな賭けと幅広い可能性の育成といった背反する事項の綱渡りが必要で、キーとなる本質として「緊張感」が挙げられています。
代表的企業)アップル、ナイキ

卓越したオペレーション
卓越したオペレーションとは、生産方法と販売方法の改善を追求し、競争優位性の構築を目指すアプローチ。
最新の製品よりも、コストパフォーマンスが優れ、信頼性が高い製品やサービスを求めている顧客がターゲットとなる。
■主な特徴
・低価格で、実質本位の製品やサービスを提供している
・標準化された効率のよい運営手順を用いている
・マニュアル・ルールが行き渡り、全員が自分の役割を心得ている

卓越したオペレーション
卓越したオペレーションでは、独自のノウハウ、技術の応用、
厳しい管理の慎重な組み合わせが重要な要素で、そのためのキーとして「定型」が挙げられます。
代表的企業)マクドナルドなど

顧客との親密さ
顧客ロイヤルティを築き上げて販売力を高めるとともに、顧客からのフィードバックを改善に生かし、顧客ロイヤルティによる競争優位性の構築を目指すアプローチ。個々のニーズを満たしてくれて、最も反応が早く融通のきく企業を好む顧客がターゲットとなる。
■主な特徴
・顧客と長期的な関係を醸成(最初の取引から利益を得ようとしない)
・顧客の内情について深い知識と洞察がある
・顧客に対して常に期待以上のものを提供している
・顧客に合わせて製品やサービスをカスタマイズしている
・意思決定の多くを顧客に密着した従業員に委ねている

顧客との親密さ
ノウハウを極めた人材、顧客側の重要プロセスに対する最新かつ最高の技術の応用、
製品やサービスが持つ機能性の広大なネットワークから生み出され、そのためのキーとして「ソリューション」を挙げています。
代表的企業)リッツカールトン

価値基準の選択
価値基準の選択においては、次の5つの問いに答える必要がある。
1.    顧客はどのような価値領域に関心があるのか?
2.    その価値領域を優先的な基準として見なしている顧客の割合なのか?
3.    その価値領域で最高の価値を提供しているプレーヤーは?
4.    その価値領域で競争相手に対抗する方法は?
5.    その価値領域の価値リーダーに追いつけていない理由は?


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